遥斗くんが、みんなに聞かれた時に、本当に迷ったのだとわかる。

同じように悩むことに、どこか安心した。


「でも、まあ。周りの奴らに知って欲しかったんだよね」

「知って…?」

「星野さんは俺の彼女で、俺が星野さんの彼氏だってこと」

「っうん…」



改まって言われると、なんだか……嬉しい。

ドクドクと早まる鼓動も、緩んでしまう頬も止められない。


ふと遥斗くんが足を止める。

それにならって、向い合わせ。

周りに人影はない…。


「たぶん、俺…」


遥斗くんの顔が耳元に近づいてくる。


「星野さんが思ってる以上に…、星野さんのこと好きだよ?」


あまりの近さに遥斗くんの顔は見えなかったけど、囁かれた声はいつもよりも甘さを纏っていた。