きみのへたっぴな溺愛

…あ。パチっと遥斗くんと目があった。

口の端を上げた彼が「星野衣織ちゃんだよ?」と呟く。

シン…とした美術室に、ドキッと胸の音が鳴った。


…大変だ!

と思った次の瞬間には、女の子たちが私の方に集まってくる。
 

「えっと…」


「「「衣織(ちゃん)、遥斗くんと付き合ってるの!?」」」


「う、うん…」


コクリと小さく頷く。


「「「キャーーーーッ」」」と甲高い声が上がる。


「「「お似合い!!!」」」


「えっ…?」


「美男美女カップルじゃん」
「すごっ」「すてきーっ」


戸惑いながらも、遥斗くんに視線を移すと、彼は男の子たちに囲まれていた。  


「ええーっ!すっっごいイイね!!」


顔をズンと近づけた彩香が手を叩く。


「い、いい…?」


思わず聞き返してしまったら、ブンブンと一斉にみんなが頷いた。