きみのへたっぴな溺愛

騒がしかった美術室が一瞬静まって、それからドッとどよめきが起こる。


「えっ!?」「まじ!?」「だれ!?」
「なになに!?」「どういうこと!?」

「キャー」なのか「イヤー」なのか悲鳴に近い声も上がる。


その様子にポカン…と呆気に取られてしまう。

ど、どうしよう…。

遥斗くんの彼女って…私だよね?

それを知っているのは、未緒とまりや。

だけど、ふたりは書道選択だから、助け舟を求めることはできない。

自分でなんとかしなくちゃ…と思うのに、気が動転して、騒ぐみんなをひたすら眺めてしまう。


チラリと遥斗くんを見ると、彼もあたふたしていた。

困り顔の遥斗くんも素敵。

…じゃなくて。

未緒とまりやは、私の気持ちを知っていたから「おめでとう」と笑ってくれたけど…。

他の人たちは、遥斗くんと私が付き合ってるって知ったら…どう思うのだろう。

そんなことを考えた矢先。


「で、その彼女はだれなんだよ!?」


と一際大きな声が聞こえた。

あちゃー。

この流れは絶対に言う感じだと予想できる。

C組だけでなく、D組の人たちも遥斗くんを見ている。