「じゃ、じゃあね…」

「う、うん…また明日」


右手を小さく挙げてくれる遥斗くんに、そっと手を振りかえして家に入る。

パタンとドアが閉まったところで深呼吸。

静寂が流れる空間にドクンドクンと心音が大きく響いた。

ローファーを揃えて、スクバを置いて、手を洗う。

ほぼほぼ無意識のうちに体が動き、リビングのソファーにストンと腰を下ろす。

その瞬間、ドッと肩の力が抜けた気がした。


遥斗くんに告白をされた。告白をした。

…付き合うことになった。

余裕をなくした脳内で、ゆっくりとさっき起こったことを確認する。