きみのへたっぴな溺愛

深呼吸をいくつか繰り返したところで、耳に入るのは足音。

すぐに「星野さんっ…」という声とともに遥斗くんが顔を出した。



「なんで逃げるの……?」

「ご、ごめんなさい……」


謝りながら、私の体は自然と後ずさる。

その距離を無くすように遥斗くんが近づいてくる。


「いや、ごめん、俺の方こそ…」


返事の代わりにブンブンと首を横に振った。

これは私の問題であって、遥斗くんが謝ることは何もない。



「コ、コワクナイヨー?」


って遥斗くんは苦笑いを浮かべている。

けれど、これから想いを伝えて…、振られると思うと……こわいよ。


それでも、追いかけてきてくれたから。

見つかってしまったから。

向き合わないといけない。

それに勢いがなければ、私はいつまでも想いを伝えられないと思う。…それはイヤだ。

そっと顔をあげる。

揺れた瞳と目があった。