きみのへたっぴな溺愛

「なんか勘違いしてそうだから言うけど。普通にゴミ捨て来ただけだから」
「ゴミ捨て…え、あ、気付いてなかった…。わり…」
「頑張れよ」
「水瀬くん………」


一言二言交わす遥斗くんと隼人の声は、私には届かず。

なんて言ったのか気になる。

それに、なぜかふたりの世界が出来上がっているみたい。
 
隼人め…。と八つ当たり気味に彼を見る。

ゴミ箱を右手にぶら下げた隼人は、振り向くことなく去って行った。


残された私と遥斗くん。

裏庭にふたりきり。


「あ…」
「えっと…」


遥斗くんも、私も、話を切り出すことなく時間が過ぎる。

おそらくお互いに切り出し方がわからない。


頭が回らずに、ただただ遥斗くんを見上げた。

そしたらバチッと。

意を決したように見られてドキリとする。


「ちょ、ちょっと待ってくださいっ…」


思わず言ってしまった。

だって、心の準備が出来ていないの。

クルリと踵を返して、ダッシュ。

裏庭からゴミ捨て場へと通じる細い道を走った。