きみのへたっぴな溺愛

…いた。

窓際の1番後ろに座る星野衣織ちゃん。

ピシッと伸びた背筋に、光があたって輝くふわふわした栗色の髪。

ぱっちりと開いたキラキラの瞳は机の上に向いている。


彼女を見ていると、昨日の出来事を思い出して何とも言えない気持ちになる。

…はっきりと言えるのは、今日もかわいいなあ。ということ。

星野さんは日に日に可愛くなる。

あの可愛さはどこまで行くのかと心配になってしまう。
 
本人からしたら余計なお世話だろうけど。

彼女を好きな男子のなんて多いことか。

男子の中では『俺らのアイドル衣織ちゃん❤︎』なんて言われている。

それに星野さんは気付いてなさそうで、不安が募る。


あー…俺、彼女をひとりじめしたいんだ…。


好きすぎて、遠い存在すぎて、気軽に名前すら呼べないのに。

って、そんなことを考えている場合じゃない。

星野さんとちゃんと話すべきだよな。

…じゃなくて、俺の気持ちをちゃんと伝えたいと思う。