きみのへたっぴな溺愛



寝たけど寝てないような感覚と一緒に朝が来た。

ムクっと起き上がり顔を洗う。

制服に着替えて寝癖を直す。

それから食パンをトースターでチンする。 

ちょっと焦げたソレをしっかり食べて、身なりを整えて「行ってきまーす」と家を出た。


曇り空の下を自転車で激走する。

学校までは歩ける距離だけど、朝が苦手な俺にとっては自転車が相棒だ。

カァーカァーカァーとカラスの鳴き声をBGMにして足を動かせば、高校に到着した。

予鈴を耳に入れながら、教室のある4階を目指す。


…ここまではいつも通りの朝。


だけど、階段を登るにつれて俺の鼓動が高まっていく。

ソワソワ。はたまたドキドキ。

こんなに緊張した面持ちで教室に行くのは、入学式以来かもしれない。

まあ、でも。

2日連続でサボる程悪い子ではないし?

ヘタレも卒業したし?

と、心の中でこぼしつつ、着いた1ーCの後ろのドアを開ける。


「おー、遥斗。はよー」

「おはよ」


クラスの男たちに返事しながら、自然と俺の目は1箇所に動いた。