BLADE BEAST

「はい。りーおっ」

「…ありがと」

「はい。眞紘っ」

「…ん」



カチャリ、と置かれる珈琲カップ。

移動して、テーブルを挟んで向かい側に眞紘、私の隣に晄という配置にチェンジをしたのだけど、正直いって私は苦いものが苦手だ。



こんな人相して苦いのはちょっと…というのは中々気恥ずかしいもので、"ありがと"とは言ったものの私は内心困り果てていた。



……角砂糖、一個か……。

いや。それが普通なんだろう。




普通は一個くらいがベスト。なんなら入れない人だって多いはずなのは知っている。



当たり前のように横に添えてあるそれを見る。

折角こうやって気を利かして準備してくれたものにまた何か要求するのは気が引けた。


それでもなおニコニコスタイルを決め込む晄は、上機嫌に自分の分の珈琲を淹れていて。