BLADE BEAST

私のことを抱き上げてくれた眞紘は、苦しいくらいに身体に手を回して引き寄せる。

眞紘の匂いがした。眞紘の温かさは確かにあった。

だから、安心したの。





「………ごめんっ………」





心から震えたそれは、私のすぐ耳元から聞こえてきた。





「ごめんっ…………」

「…眞紘」

「────ごめんっ………」

「眞紘」

「………………ごめん…っ……」




眞紘は何度も謝った。

"G.G"のメンバー全員の視線を浴びながら、そんなのは関係ないかのように今まで以上に感情を露わにする。

だからだろう。ここにいる奴らは眞紘のこんな姿など見たことがないから。奴らが知っている眞紘は、こんなんじゃないから。

でも、その中でただ一人晄だけは────真剣な眼差しで此方を見ていた。




「…ついこの前あんな目にあったばっかなのにっ…」

「眞紘」

「また怖い思いをさせたっ…」

「……眞紘」

「あんなに悲しい思いをしたばかりなのにっ…またっ…泣かせたっ…」




眞紘は、両親から突き離されたと思って一種の絶望を味わった時のことを言っている。

私が何のためにいるのか分からなくなって、全てがどうでもいいとすら思った私は、チンピラに強姦まがいなことをされかけた。