BLADE BEAST

繰り返し響く鈍い音と、それに混ざるのは僅かなうめき声と飛び散る液体の音だけだった。

凍りつく場で"G.G"の男達、誰もが息を呑みながら、そして背筋に震えを帯びさせながらその光景を目の当たりにしている。

普段は何処かふざけているような恭平も、オカマを決め込んで楽観的な豪太も、いつもは甘い笑みを浮かべて余裕綽々であった晄も…皆、怒りに支配される眞紘を見ていた。

異様な空間。鉄の匂い。隣にいる手下はすっかり腰を抜かして最早使い物にはなっていなかった。




殺伐とした殺気は眞紘から出るもの。

彼は────尚も無表情で矢神を殴っていた。




私は、必死に這い蹲りながら手を伸ばした。

流れていた血はもう止まってきているけれど、それなりの出血をしたせいか上手く身体に力が入らない。



「…ぁっ、」



地面に身体を擦り付けて私は尚も身体を眞紘の方へ伸ばしてゆく。

声にならない声。うまくそれも出せなかった。

ゴフッ…ゴフッ…と、原型が残らなくなっても止めることなく繰り返し殴りつけている眞紘は、本当に男を殺すような目をしていた。

無情で、残忍で、それでも────。