あ…、と正直思った。
晄がこんな場面の中で、室内に入ってきてしまった。
振り返ればそこには黒髪を揺らす晄がニコニコしながら立っていて、一応ながらに晄のカノジョをやっている私は確認をするように眞紘に目をやった。
「あれ。眞紘もいる」
相手が晄だったから良かったんだと思う。
自分も不特定多数の女に手をかけているのだから、私のこともあまり気にはしていないような顔で此方に向かってきて。
けれど、眞紘の手は私の髪から離れていた。
「…」
何処で離したのか。
晄の言葉に何を返事することもなく、近づいていた私との距離も元に戻してそっぽを向くコイツ。
まるでただ隣に座っていたかのように。
晄がこんな場面の中で、室内に入ってきてしまった。
振り返ればそこには黒髪を揺らす晄がニコニコしながら立っていて、一応ながらに晄のカノジョをやっている私は確認をするように眞紘に目をやった。
「あれ。眞紘もいる」
相手が晄だったから良かったんだと思う。
自分も不特定多数の女に手をかけているのだから、私のこともあまり気にはしていないような顔で此方に向かってきて。
けれど、眞紘の手は私の髪から離れていた。
「…」
何処で離したのか。
晄の言葉に何を返事することもなく、近づいていた私との距離も元に戻してそっぽを向くコイツ。
まるでただ隣に座っていたかのように。

