そして、眞紘を見て思う。
私は知ってしまった。
何が真実で、何が一番…大事なのか。
────晄の部屋が、勢いよくぶち破られる。
ガンッ……といった扉が壁にぶつかる音を聞きながら、平静を若干崩している眞紘に引き連れられて中に入って行く。
やはり、眞紘は怒りを宿していた。
静かに、そしてじんわりと畏怖に包むような。
私の家の中にはなかった冷たい殺気を振りかざし、瓶ビールを口に含んだまま、大きなソファーに座っている晄へと鋭い視線をぶつけて、
立ち止まる。
「………ざけんじゃねぇよ」
震えるように。
溜めてたものを吐き出すように。
絶対零度の冷たい瞳を、するどく射抜くようにして尖らせる眞紘は、急な事態に驚きの目を向けてくる晄へとそんな言葉を吐き捨てた。

