────眞紘と初めて出会った日はいつだったか。
あれは、確か高校二年の九月くらいのことだったから、今から一年くらい前のことだったと思う。
私が正式に晄と付き合うかなり前のこと。
その時に軽くつるんでた女友達に、楽しい場所があるから私も来てほしいと半端無理今の溜まり場に連れていかれたことがすべての発端。
その女はいわゆる晄ハーレムのうちの一人だった。
学校でも、やたらに"晄"というかなりの色男がいるんだとか、昨日初めて寝てくれたとか、すっごいテク持ってて何回もイったとか…どうでも良いことを聞かされていたから余計、気が進まなくて。
勿論中に入ったら入ったで、ガヤガヤとお祭り騒ぎをしているその場の空気に圧倒されたのは言うまでもなく、すぐに気分を害した。
女友達は私なんか放置して"晄"という男のところに行ってしまうしで、最悪だったし…でも、だからと言って家に帰りたくはないというジレンマに悩まされていたのもこの時期。
デカイソファーの方を見れば、女友達はニッコリとした笑顔を降り散らす黒髪の男に、ピッタリと寄り添っている。
…そりゃもう幸せそうに。
その他大勢の中でもいいの!っていう気持ちが私には分からない。

