リビングの明かりが近づくと、身体が僅かに強張ってゆくのが自分でも分かった。
扉を開ける寸前、眞紘は一度だけ私を見て…手を握る力を強くしてくれて。
父も母も、驚くかもしれない。
修羅場っていっても過言ではない二人の間に、いきなり知らない男が現れて、しかも隣には何故か弱り切っている私もいるんだから──。
なんて思いながらもガチャリ、と扉を開けられれば、
「莉央何処に───」
「莉央?!」
まだ誰が入ってきたのかも確認していないのに、咄嗟に振り返ってきている父と母の姿があった。
焦っていたような。まるで──心配をしていたような。
そこに一つの疑問が浮かんだことは浮かんだけど、直ぐにそれは二人の意識が私の隣にいる眞紘に移ったことで簡単にどっかに行ってしまった。
見知らぬ、見当違いな男が射抜くような瞳で彼らを見ているからだ。
強い何かを宿しているようなそれに、その場を容易に支配するほどのオーラに、父も母も何を言うことも出来ずに息を呑んでいて。
扉を開ける寸前、眞紘は一度だけ私を見て…手を握る力を強くしてくれて。
父も母も、驚くかもしれない。
修羅場っていっても過言ではない二人の間に、いきなり知らない男が現れて、しかも隣には何故か弱り切っている私もいるんだから──。
なんて思いながらもガチャリ、と扉を開けられれば、
「莉央何処に───」
「莉央?!」
まだ誰が入ってきたのかも確認していないのに、咄嗟に振り返ってきている父と母の姿があった。
焦っていたような。まるで──心配をしていたような。
そこに一つの疑問が浮かんだことは浮かんだけど、直ぐにそれは二人の意識が私の隣にいる眞紘に移ったことで簡単にどっかに行ってしまった。
見知らぬ、見当違いな男が射抜くような瞳で彼らを見ているからだ。
強い何かを宿しているようなそれに、その場を容易に支配するほどのオーラに、父も母も何を言うことも出来ずに息を呑んでいて。

