どこ行っても晴れない。
現に家の前についても、やっと落ち着ける…だなんて思うことなどないって分かってる。
しばらく夜の街を歩いてから、徐々に小さくなってゆく街のノイズと車の走行音を耳にしつつ足を止めれば、そこには見慣れたマンションがあった。
別に今更どう気に病むことはないと思ってはいても、何故かモヤつきとともに溜息が零れ落ちてくる。
この時間だったら、父と母はいないだろうと思った。
愛人だかの家に行って家を空ける頃合いだろうと思って、この時刻に溜まり場から引き上げることを決めた。
ヒュウ、ヒュウ、と心の中の何かが冷え切ってゆく感覚。
外はもう夜だというのにもかかわらず、こんなにもジメッとしているのに、わたしの心は反比例していて。
何もかも、曖昧で中途半端。
私が求めてるものって、なんなわけ…?

