「ねえ、莉央」






そして眞紘は髪から唇を離し、少し困ったように私に声をかけてきた。



「少し、そのまま」

「え?」

「……お願い。これだけは」



理由も知らない胸の痛みと、わずかな息苦しさの中、私はただただ目の前にいる眞紘を視界に入れた。

コイツから目が離せなかった。

痛くて、苦しくて、嬉しくて、儚くて、そして切ない訳分かんない感情の渦。

こんなの…知らない。





「莉央を困らせるだけかもって思ったんだけど、やっぱりあげたかった」





眞紘はまたポケットから一つの袋を取り出した。

可愛らしいリボンで包装された、小さな袋。

それを開いて中身を取り出すと、それを掴んで私の方へと持ってきて、





「莉央が俺を看病してくれた、お礼」





────星のネックレスを、私の首元につけてくれた。