BLADE BEAST

…なんだ。

若干ながらに後退気味になっていると、顔を近づけてきた眞紘は伏し目がちなそれから私を見上げるようにして見てくる。



今度はどんな気まぐれなのだろう。



コイツの行動というものはまるで予想ができないのだから困る。

それをしかも平然とした顔でするのだから、タチが悪いんだと思う。

けれどその時。







「…香水も、変わった」







ほんの少し口角を上げて、淡々とそんなことを言ってくる眞紘に、私は少なからず動揺をしたような気がした。

顔にはあまり出ないと言われる私は、こういう時は一応心の中では驚いていたりする。

今回は若干、ピクリと眉が動いてしまったわけだが。