────でも、違うの?
何が変なの?いつから?
美織が幸せそうに彼氏の話をしてくるから?
「…俺は眞紘のこと、嫌いじゃないよ」
隣でまた悟っているような顔をしてくる恭平は、ニッコリ笑って頬杖をついてくる。
髪を切ったことだとか、香水を変えたことだとか、好きなもの苦手なものを覚えてることだとか、さりげなく隣に座ってくれるとこだとか、ダルがらずに酔っ払いの話を聞いてくれるとこだとか。
口数が少ないと思えば、ポンポンと気持ちを吐き出してくるところだとか。
────それと今回の話が合わさってしまったら、私は益々アイツのことばかり考える。
アイツは、案外私のことを見てくれるって────知っちゃったから。
何食わぬ顔して。
自分の状況なんてきっと酷いのに。
「……って、ま。誰の話ってわけじゃないんだけどね?」
クスリと最後に恭平が笑った。
結局、遠回しに教えてくれた。東と西の関係と仕組みを教えてくれることで、私に眞紘のことを知らせてくれたコイツは、案外仲間思いで。
それに若干ながら救われたことに変わりはなかった。

