BLADE BEAST

「お。莉央ちゃんおっぱーい」





──と、そんな時だった。

思わずピキリとこめかみが鳴るかと思うほどの陽気で、幼稚な挨拶とやらが聞こえてきたのは。



無言で顔を上げる私は、最早"死ね"だとか"くたばれ"だとか暴言を吐く気力がないくらいに苛ついていて。

というか今はただでさえ頭がパンクしそうなのだから、無論この変態野郎なんかに関わっている時間などはない。

……だからさっさとどっか行け。

心の中で吐き捨てながら嫌そうな目を向ける私に、────変態知的男子・恭平はただニッコリと笑いかけてくる。




「俺はね、結構前から分かってたよ？」




しかも、意味深な台詞を付け足して。




「…分かってたって、なに」




だから私は怪訝そうに眉を顰めたんだけど、恭平といえば柔らかく微笑んだまま表情を変えずに隣に座ってきやがった。