BLADE BEAST

というか、今更的なところはある。

聞くポイントはもっと前にあっただろうに、ヤツは無頓着なのかそうではないのか今の今聞いてきやがった。



「見ての通り、いないよ」

「…」

「なに。そんな重いもんでもないって。ただ不仲なだけ」

「…そ、」



そもそも、何故眞紘にこんなこと話してるんだ。


ハァ…と溜息をついてその場しのぎに髪を耳にかけていると、ふと一点から視線が向けられ続けていることに気づいた。

勿論、眞紘のもの。




「ずっと帰ってきてねぇの?」

「…は?」

「莉央は一人でどーしてんの?」

「…」



気怠そうなのに、ちゃんとした目もしている変な男。なんでこう、アンタという人間は妙な心遣いをするのか。

だから余計、こうやって現に困らされてるんだ。