その時だった。
「────りーおっ」
それは入り口の方から。
ピシャリと何かが走ったような感覚。突如割り込んできた楽観的な声に私は目を丸くした。
眞紘はただ私の向こう側を見たまま表情は崩していない。私の頬から手は離したものの何も動じてない。私から離れることもしない。
眞紘が見ている先には、───誰でもない、晄が、いる。
あと少しで触れそうだったそれは、私が振り返ったことによって離された。
入り口には予想した通り、黒髪、甘いマスクの晄が立っていて、変わらずにニコニコと笑顔を向けてくる。
いや、別に晄のことだから気にする事はないのかもしれない。
私が何してても構いやしない晄なのだから。それに…と、思って気づいた。
私、何後ろめたい気持ちを持っているんだ、と。
「────りーおっ」
それは入り口の方から。
ピシャリと何かが走ったような感覚。突如割り込んできた楽観的な声に私は目を丸くした。
眞紘はただ私の向こう側を見たまま表情は崩していない。私の頬から手は離したものの何も動じてない。私から離れることもしない。
眞紘が見ている先には、───誰でもない、晄が、いる。
あと少しで触れそうだったそれは、私が振り返ったことによって離された。
入り口には予想した通り、黒髪、甘いマスクの晄が立っていて、変わらずにニコニコと笑顔を向けてくる。
いや、別に晄のことだから気にする事はないのかもしれない。
私が何してても構いやしない晄なのだから。それに…と、思って気づいた。
私、何後ろめたい気持ちを持っているんだ、と。

