BLADE BEAST

あくまでも私と眞紘はクラスメートだ。

それ以外の何でもなくて、何も…ないと思ってる。だから眞紘といる必要はない。

それなのに、私はコイツといることが寧ろ好ましく思っている。一人でいることが好きだったのに、眞紘がいるのならって思ってしまっている自分がいる。




「分かった?」




何故か私の好きなものや嫌いなものを知り得ては、些細な変化さえも気にして覚えていてくれる眞紘。

コイツはこんなマメな奴じゃないはずなのに、意外とちゃんとしてる。

本当、変な────ヤツで。





数回、瞬き。

ギシッ…とソファーを軋ませた眞紘はさらに前屈みになった。影ができる。




「……そのまま」




眞紘は、ポソリと静かにそう言って視線を落としてきた。

あ……と、思った。

髪を触っていた手はいつの間にか私の頬を包み、自然な流れで形の良い唇が近づいてくる。



かかる吐息。

相変わらず薄っすらと開いている瞳。



二人だけの静かな空間で、私は少しも動く事なく、ゆっくりと角度をつけてそれを寄せてくる眞紘のことを──ただ、見ていた。