BLADE BEAST

「…からかいたいって…何それ、」

「そのまんまの意味」

「…はぁ?意味、分かんない」

「分かんないね」



耳を撫でるような声をともに、髪へと指を伸ばしてくる眞紘はまたいつものようにクルクルと毛先を弄り始める。

毛先だって、何処に神経通ってんだってくらいに妙な刺激のようなものを感じるから落ち着かない。

テーブルにグラスを置いた眞紘は伏し目がちになりながら私に視線を下ろしてきた。





「…分かんなくても、いいよ」





まただ。ポソリと耳を撫でる。


それじゃこっちがモヤついたままじゃないって反抗したいのに、眞紘は何処かそれを言わせないような雰囲気を保ってる。

言うだけ言って。

それにいちいち気にする必要もないはずなのに、私は変だ。