BLADE BEAST

私がそう言った後、眞紘がキュッと口元を結んでいるのが見えたような気がした。

この角度からだと余り見えないけど。



「で?熱は?測った?」

「…体温計無い」

「…だと思ったから買ってきたよ…。あと、昼ご飯は?食べた?」

「…何も食ってない」

「案の定マジで何にもしてないじゃない…。分かった。とりあえず仮眠室行くよ」

「…ん」



眞紘はただ水を飲んで寝ていただけだったんだろうが、それだけで治るわけない。

ちゃんと食べて、寝て、冷やして、薬飲まないと治るもんも治らないっていうのに、悪化したらどうすんのよ。

そう思っていると眞紘はすんなりと言うことを聞いて離れてくれた。



…幹部室の隣が仮眠室。ベッドが置いてあるし、そこが一番いいと思ったから。

だから眞紘に肩を貸してあげてゆっくりと移動していった。

本当、こんな面倒見のいいキャラなんかではないのに、こうしちゃうのは相手が眞紘だからなのだろうか。