BLADE BEAST

「莉央、冷たくて気持ちいい」

「アンタは熱い」

「だって風邪引いてるから」

「…やっぱ引いてんじゃん…」




さっきはあんなに否定してたくせに、一転してとぼけたように病人を極める眞紘に呆気に取られる。

急な病人アピール。頬に眞紘の柔らかい髪の毛がチクチク当たるくらいの近さ。それに加え一気に甘えたにもなったみたいで。




「うん。引いてる。でも莉央が看病してくれるんでしょ?」

「…するけど、」

「本当に行かない?本当にここにいる?」

「…だから断ったって。アンタが落ち着くまでいるよ。死んだら見離した私のせいみたいで困るし」




眞紘の口からポンポン素直な言葉が吐き出されてくる。

拒否ったさっきとは全く違う。


実は構ってキャラなのか?と思っちゃうくらいによく意味は分かんなかったけど、でも誰だって風邪を引いたら弱気にくらいなるか、と思ったりもした。