BLADE BEAST

「俺に………構わなくて、いいから」






そう言って、眞紘は確かに……私の指先を見ていた。

左手。そこにはついこの間貰った晄からのピンキーリングが光っていて。

ゆらゆらと揺れる瞳が向けられていたかと思えば、一度瞳を閉じ、今度は私の瞳へとそれを向けてくる。




「……行って」

「…眞紘」

「……行けって」

「でも」




掠れた声だった。

時折咳を混じらせる、辛そうな…それ。






「────行けよ……」






ポツリ、と吐かれた言葉。

最後にはっきりと言い切った眞紘は、そのままゴロリと背を向けて寝っころがり、私を無言で追いやった。