昼頃。持ってきたものを食べた私は二階へと昇る階段の上にいた。

っていうのもその少し前に晄から電話があって、早く用事が済んだからどっかに行こうとのこと。



階段の上にいるのは荷物が二階にあったから。

こんな暑い日に何処に連れて行かれるんだと軽く絶望していたそんな時のこと。




────幹部室。よく使っているあの場所に踏み入れた私は、ピタリと足を止めた。

いや、何で止めたのか。

何故一点だけ見つめているのか。




「…眞紘?」




冷蔵庫の前。

あの眩しいハチミツ色の柔らかそうな髪。

立ち止まる私が見ている先には、ペットボトルを咥えて飲み込んでいる眞紘が立っていた。