本当はすぐ探して言おうとした。

勝手に姿を消してごめん、って。



助けてくれた晄にお礼だけ言って、落ちていたイチゴオレを両手で持った私はすぐに眞紘を探しにいった。

悪い、と思ったから。

酔っていたとは言え、折角私のために買いに行ってくれたのに私はと言えば言うことも聞かずにあんな場所で。



────けれど、眞紘は何処にもいなかった。

女との一戦を終えたらしい恭平に聞けば、"さっき帰ってったよ"と言われて、私はただただ突っ立っていた。



手元にはイチゴオレ。

無意識にギュッと、大事そうに握っていた。



それからというもの、直ぐに旅行にいくのが決定してしまった私は眞紘の顔を見ていない。

"行こう行こう"と、ふと思い出した晄のゴリ押しに圧倒された私は勢いのままに避暑地へ。




まぁ、深く考えるもんでもないのかも。

眞紘はクラスメートで、晄は私の彼氏で、特にヤツと会わないことがあったってそれはごく普通で。




それにあの飄々とした眞紘だ。

大げさなことでもない……か。




と、今日までを過ごしていた。