BLADE BEAST

「ちょーっとね?"崩したくて"」






男はそう言った。


吐き気がするほどに狂気じみた表情を浮かべながら、一つの野心を燃やしている。



そして新たなるワード。"崩したい"。

それはきっと西側を統括している"G.G"のことを言っているんだろうってのは、私でも分かるくらいだった。




「ある"繁栄"を見る者の中には、必ずどっかしらに妬み嫉みを持つもんがいるってことくれぇ、お前さんにも分かるだろ」

「…」

「世の中そう上手くできちゃいねぇ。気にいらねぇって思うことの方が割と当たり前だ」




男はチャリ、チャリ…と単車の鍵らしいものを投げては受け止めてを繰り返す。

共感なんて、今までの人生の中でほぼしたことなど無かったけれど、その言葉は割と的を得ていると思った。