BLADE BEAST

呼ばれた砂浜まで歩いて行けば、そこには数人の男が煙草を吸って座り込んでいた。



何。コイツら。

未だ吹き付ける海風を浴び、黒髪をひらりひらりと揺らす私は、一度邪魔なそれを耳にかけた。



その風に乗るヤニばんだ匂い。

男達は私に気づいてつり上がった瞳を此方へと向ける。

賑やかなはしゃぎ声が気がつけば遠くから聞こえてくるようで。




ヒュウ、ヒュウ…と海の家が並ぶ板の木目の間を吹き抜けてゆき、チカチカと、消しきれていない煙草の火が砂の上を色付ける。

男達は其々に煙草を揉み消すと、それを足で砂の中に埋め込んだ。




「君が荻原莉央ちゃん？」




ジッ…と見ていた私に、何とも印象の悪い薄笑いを浮かべて訪ねてくる。

ダメージジーンズにラフなＴシャツ。他の奴らも同じような格好をしている。

暗闇でよく見えないけど髪だって箆棒に明るいし。ただ、私の名前を知らないあたり、この人達は"G.G"の人間では、

……ない？