BLADE BEAST

絡み合う舌。

下唇は食むようにして咥えられる。

時折開けられる瞳は甘く甘く揺れていて、賑やかな海水浴客のはしゃぎ声を遠くで感じながらに私達は口付けを交わしていた。



「…ん。おしまい」



極め付けにはチュッと最後にリップ音を響かせて、私の身体を触っていた手も全部また浮き輪の上に乗せられた。



「あんまりすると止まんなくなりそうだから」

「…馬鹿」

「水着脱がしたくなっちゃう」

「…絶対駄目」



こんな公共の場で、何やってんだと不機嫌になる私に晄は変わらずにニッコリと笑う。



「莉央のそーゆーとこ、好き」



後ろでくくっている髪をクルクルと指で弄る晄は、次第に浮き輪に乗っかるようにして私の背中にも手を回す。

太陽はジリジリと照って熱い。

けれど海の中は気持ちがいい。






────そんな夏休み序盤のこと。