BLADE BEAST

いなくなった。

めちゃくちゃ不服そうにしている女達に視線を寄せつつ、やはりよく分からない男だと首を軽く捻る。



「莉央!行こっ」



一方晄にはグングンと腕を引っ張られるしで、私は熱い砂浜にヒーヒー言いながら波打ち際まで連れてこられる。



「はい浮き輪」

「わっ」



バフッと上からそれがはめられると、私はまるきり変な格好になる。

浮き輪なんてキャラじゃないんだけど。

……と、思っているのも束の間でそれはもう冷たいと思っている暇もないくらいに、ザブンと海の中に追いやられたのだった。



「……しょっぱ!!!」

「キモチー!」



晄はといえば私がはめている浮き輪につかまってプカプカと同じように浮いている。

周りにはそれなりに人がいるものの、何となく晄との空間が出来てくるような感覚。