なんて。
完全にビキニ姿になった私を晄は引っ張った。
ビーチサンダルを脱いだままに歩く砂浜は熱くて正直、やっぱり帰りたいと思ったりもしたけれど、それを晄は笑いながら振り返って見てくるの。
うん。ちゃんと好き。
不特定多数の女が他にいるっていう異質極まりない関係かもしれないけれど、いいの。
気を使うことも全くないし。
何より楽だし。
それにこうやって私を誘って笑いかけてくれて…晄は私といる時はちゃんと愛をくれるから。
と、思っていた時。
「あ、」
少し進んだところで晄は立ち止まった。
フワリと潮風にゆれる黒髪は、すぐに振り返っては私よりさらに奥の方に目を向けていた。
「眞紘ー!」
私のパレオが転がっている場所より少し後方。
アホくさいカモメの鳴き声が聞こえる。
フワリ、フワリと髪を揺らす潮風。
髪を押さえながら私も振り返れば───浮き輪まで持ってんのに海の家の中に戻ろうとしている、ヤツの後ろ姿があった。
完全にビキニ姿になった私を晄は引っ張った。
ビーチサンダルを脱いだままに歩く砂浜は熱くて正直、やっぱり帰りたいと思ったりもしたけれど、それを晄は笑いながら振り返って見てくるの。
うん。ちゃんと好き。
不特定多数の女が他にいるっていう異質極まりない関係かもしれないけれど、いいの。
気を使うことも全くないし。
何より楽だし。
それにこうやって私を誘って笑いかけてくれて…晄は私といる時はちゃんと愛をくれるから。
と、思っていた時。
「あ、」
少し進んだところで晄は立ち止まった。
フワリと潮風にゆれる黒髪は、すぐに振り返っては私よりさらに奥の方に目を向けていた。
「眞紘ー!」
私のパレオが転がっている場所より少し後方。
アホくさいカモメの鳴き声が聞こえる。
フワリ、フワリと髪を揺らす潮風。
髪を押さえながら私も振り返れば───浮き輪まで持ってんのに海の家の中に戻ろうとしている、ヤツの後ろ姿があった。

