そう。つまりはヤツも─────来ている。

何気なく視界に入れてみれば、チョコンと隣に並んでくる女に涼しげな視線を向けている、眞紘がいて。

今日も明るいハチミツ色。

それに何を考えてんのか分かんない瞳。

───なんだ。アンタみたいな馴れ合いを深めないヤツでも、ちゃんとこういう場に顔出すんだ…とただそんなことだけを考えた。




「ね!見て。…約束、覚えてる?」

「…約束?」

「え?!覚えてないの?この前、海行く時あたしが髪切ったら、今度こそ"可愛い"って言ってくれるって約束したぁ〜!」




しかも、何やら揉めているようで。

お気の毒に…と鼻で笑う私はすぐに前を見て一人歩き始める。




「…切ったの?」

「………切ったぁぁぁあ!しかもバッサリ!!!何で気づいてくんないの?!もーあたし泣くぅぅぅ」




アンタも大変だな。

………てか、しかし暑い。




なんて。

そんなやり取りを何となく聞きながら。