BLADE BEAST

チラリと眞紘と目を合わせる。


「出れば?」


さも気にしないような素振りでストローを咥えながら、パチパチとホチキスを留める。

気だるげにしながらもやることはちゃんとやるのか……と、意外に思いながらもそれに甘えることにした。


「ごめん」


携帯を取り出せば、──発信元は晄だった。

画面を見て何の用事かと一度思って通話ボタンを押す私はそれを耳に近づけた。


パチン。

パチン。

……パチン。



「もしもし?────晄?」



……パ、チ……。

何故か、ホチキスの音が止まった。



ま。大したことはない、と思った私は受話器の向こうにいる晄に意識を向ける。




『もしもーしっ!莉央?ねぇ今日来ないの?』




それに、何かと思えば私がいないことが退屈だとかそういった類の電話で。

ハーレムがいるだろうに。なんて思う私はやはり冷め切っているんだと思う。