BLADE BEAST

「…ふぅん」

「…」



そう呟いて眞紘も一口フルーツオレを含む。

なんと似合わない。ストローを咥えたまま、喉を鳴らして動いてゆくそれを私はしばらく見てしまった。

ゴクリ、ゴクリと飲み込まれる音。

視線はプリントへと落とされて、長い睫毛がよく見えた。

けれど、それは直ぐに私へと上げられて、



「なぁ」

「…なに」



直ぐに涼しげなそれと私のそれがぶつかり合った。

何だ?…そう思って紙パックを口元から離せば、しばらく見つめられる。

また片耳だけついたピアスがキラリと光った………、かと思ったその時。





──────ニュッと乗り出される上体。






鼻に、ハチミツ色の髪が当たった。

掴まれる腕に、ホワイトムスク。イチゴオレは……眞紘によって吸い上げられる。

ゴクリ、ゴクリと喉が鳴る音。




「あま、」




ストローから口を離すやいなや吐き出される言葉は、妙な雰囲気を纏う。

もう一度見上げられる視線に、唖然とするしかない私はただただ見つめ返すしかなかった。