光の差す暗闇で私は音を奏でたい




~幸音目線~



……ピピピピッピピピピッ



「……ん」



目覚まし時計を止めてむくっと起き上がる。




カーテンの隙間からは、日の光が差し込んでいた。




コンコンコン





「はい」




私はドアをノックする音に、思わず立ち上がった。開いたドアの方を見ると、そこには小林君が立っていた。



「おはよ、幸音」




「おはよう」




「早く飯、食いに行こうぜ」



私は小林君に手を引かれ、隣を歩く。




すると、目の前に遥貴さんがいた。




「あれ?遥貴さんじゃん、おはよ」



「おはようございます」



「ははっ、俺に敬語使わないんじゃなかったのか?昨日の遥貴さん、すげぇ取り乱してて面白かったんだけど」



遥貴さんは、小林君の言葉にキレたのか彼をキッと睨んだ。



「……あぁ、そうだったな。俺が少し心開いただけで俺の事、すげぇ弄りやがって。言っておくが、俺はお前よりも五つ年上だからな」




「だから何?関係ないだろ、そんな事。俺は面白ければ何でもいいんだよ」




「……お前なぁ」




お互いを睨み合う二人を見て、私は驚いてしまった。……短期間で、二人がこんなことになるなんて。




私は思わず、ふっと笑ってしまった。そんな私に気づいたのか、二人は私の方に視線を向けた。




「ごめんなさい、あまりにも二人が面白くて。もう仲良くなったんだね、二人共。気が合いそうだとは思っていたけど、まさかこんなに早いなんて。それに、廊下のど真ん中で口喧嘩してるし」




笑いながら言うと二人は少し頬を赤くしてふいっと視線を逸らした。



私は笑うのをやめて、ふぅーっと息を吐く。




「……良かった、楽しそうで」



遥貴さんの自然な態度、久しぶりに見たな……。私の執事になってから、そういう風に接しなくなって心配だったから……安心した。