~幸音目線~
遥貴さんが私の部屋を出て数時間ほどが経つ。
私はその間、小林君の前でずっと勉強をしていたけれど、彼が起きることはなくぐっすりと眠っていた。
……本当に、疲れていたんだろうな。私は手を止めて小林君の方を見る。
……先に、お風呂に入っておこう。
立ち上がってドアをそっと開け、浴室の方へ向かう。
「お嬢様、今からご入浴ですか?」
いつも私にスイーツなどを作ってくれている、メイドの佐々木さんが私に尋ねる。
「そうだよ」
「お食事はいつ頃なされますか?」
「一時間後くらいで大丈夫よ。あと、今日の夕食はもう一人分お願いしたいのだけれど、良いかな」
「えぇ、大丈夫ですけれども。……お嬢様のご友人がいらしているのですか?」
「……うん、そうだよ」
佐々木さんは驚いていたけれど、すぐに微笑んでくれた。
「そうだったのですか。では、厨房の方にお伝えしておきますね」
「ありがとう」
私にお辞儀をすると、スタスタと行ってしまった。
……私も、行こう。
止めていた足を動かし、再び浴室へと歩き始めた。
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入浴を済ませ、部屋着のワンピースを着て自分の部屋に戻った。
……小林君、まだ寝てる。
その姿に少し笑いそうになった。
そろそろ起こしてあげないと、夜眠れなくなってしまうかもしれない。
私は、自分の白いピアノの前に立って、そこの椅子に座る。
そして一息ついてから、ピアノを弾き始めた。
曲名は『ノクターン』
ショパンが妻のために書いたと言われている曲だ。
そして、夜を思いながらゆったりと弾く曲とも言われている。

