「えへへ。何だか自分で言ったのに恥ずかしくなってきちゃった。……ずっと、こうしていられたら、いいのに、な……」
そう言うと、彼女はふらっとして倒れそうになっていた。
俺はそんな彼女を抱きとめる。
「花恋!」
花恋の表情を見ると、すごく苦しそうだった。
「花恋、大丈夫か?」
「あはは、私何やってるんだろ。また、遥貴に迷惑かけちゃった……」
花恋は力無くそう言って気を失ってしまった。
「花恋!おい、花恋!」
俺は彼女の名前を呼び続けた。でも、彼女からの返事が、帰ってくることは無かった。
救急車を呼び、俺は運ばれる花恋と一緒に乗り込んだ。
「花恋、死なないでくれよ」
俺は、ベッドに寝かされている彼女の手を握りしめてそう呟いた。
……病院に着き、花恋は病室に寝かされる。俺は、そんな花恋を椅子に座って眺めていた。
その時、ドアがガラッと開けられる。
「……貴方はご家族の方ですか?」
白衣を着た医者が俺に尋ねる。
「いえ、彼女の彼氏です」
「……そうですか」
その医者は、暗い顔をした。俺は椅子から立ち上がり、医者の前に立つ。
「なぁ、花恋は大丈夫なのか?目、覚ましてくれるよな?」
医者の両手を握ってそう言った。でも、医者は困った顔をして俯くだけで、何も答えてはくれなかった。
「なぁ、答えろよ!俺は……彼女が大切なんだ。だから、教えてくれよ。何も知らないままなのは、もう嫌なんだ……」
掴んでいた手をスっと離し、俺は下を向く。
花恋が昔から病弱だったのは知っている。だけど、花恋は一度も自分の病気の事について話してくれはしなかった。
……俺は結局、何も知らなかったんだ。
少しすると、医者が口を開いた。

