光の差す暗闇で私は音を奏でたい




……コンクールで弾く曲が決まってから、私は一日漬けでピアノを弾いた。



音の強弱、ペダルの踏み具合、曲の速さ……言い出せばキリがないけれど細かいところまで気に留めながら練習をした。




そして、あっという間にテスト週間に入った。









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……昼休み。私は昼食を食べて旧校舎に入る。ここはもう使われておらず、誰も踏み入れない場所。





だけど、私はピアニストということで、特別にここの3階にある音楽室をいつでも使っていいと許可をもらっている。





だからそこの鍵は、私がずっと保管してる。



音楽室に着き、ガチャっと鍵を開けて中に入る。




……ここなら、誰も来ないから安心だ。




ピアノの蓋を開けて、椅子に腰掛けて人差し指で鍵盤を弾いた。




うん、音もまだ正常だ。




片手に持っていた楽譜をピアノの前に立て、ゆっくりと弾き始める。



……この感じ、久しぶりだ。私の気持ちと、ピアノの音が一体化して周りに広がっていく。




やっぱり、私はピアノが大好きだ。時間さえも忘れてしまうほどに。




……あっという間に弾き終わり、鍵盤から手を離す。





少しスッキリした。はぁ、と息をついて机の方を見ると、何故かそこに小林君がいて、ご飯を食べていた。




「小林君!?何でここにいるの?」




「購買で昼ご飯買って、教室戻ろうとしたんだけどさ、幸音が旧校舎の方に歩いていってるのが見えたから……着いてきたんだよ。そしたら、急にピアノ弾き始めるからびっくりした」




「そう、だったんだ」





私達は黙り込む。……じゃあ、今弾いてたの全部聞いてたって事だ。全然気づかなかった。