閉じ込められた日から、気づけば数日が経っていた。



ここ数日は特に変わったことも無かったし、普通に過ごせていた。



強いて言うなら、あれ以来小林君と前より仲良くなった事くらいだろうか。



「如月、来週からテスト週間だって知ってたか?」



小林君が私の前の席に座って話しかけてきた。




「うん、知ってるよ」




「マジか。俺知らなかったんだけど。授業真面目に受けてないからどこやってんのか分かんねぇし」



「それは自業自得でしょ?授業中に寝なければいいのに」



小林君は、常に授業中に寝ている。それなのにも関わらず、先生は何故か小林君には怒らない。



でも、この学校に転校しできたってことはここの編入試験に合格したということ。



県内の公立で一番の難関と言われるこの学校のテストに合格したという事は、小林君は頭が良いのだろう。


そんな人がテスト範囲分かっていないなんて、私には理解し難い。



「だからさ、テスト期間中俺に勉強教えてくれないか?」



「……え?どうして私が」



「クラスの奴が言ってたけど、如月毎回テスト学年トップらしいな。しかも毎回全部満点」



……この学校は、上位20位までが学校掲示板にその人の名前と合計点数が張り出される。



だから、私の事を知っている人は多いかもしれない。


「そうだけど。でも私……人に教えたことなんて無いから、他の人の方が……」



「俺は如月がいい」




小林君は私の言葉を遮って真剣に見つめてくる。



……こういう顔をされると、困る。



私は、はぁ、と溜息をついた。




「分かった。でも、何処でやるの?」





「如月の家でいいよ」



「えっ?私の家……?」



確かに、それだったら私は楽だけど……。




でも、他の場所なんて思いつかないし、私の家ならいいかもしれない。