メイナは泣きそうな表情のまま、深く頭を下げた。
 
 メイナは初めてシュリと会った時は、ハーフフェアリという存在自体を怪訝にしていた。だが、数か月で彼女を自分の主だと認めている。それは、シュリの努力する姿や人柄が認められたという事なのだろう。先ほど、シュリを慕うメイドの話しをしていたが、城の中でもシュリをラファエルの婚約者だと認めない者も少しずつ減っているのだろうな、とラファエルは思った。
 それはラファエルがそれを命令したわけではない。シュリの頑張りが、城の者を動かしたのだ。


 そんな頑張り屋の彼女がしようとしている事は手に取るようにわかる。
 シュリは穂純に会いに行ったのだろう。きっと、国王から穂純の情報を聞き、彼を説得しようとしているに違いない。


 だが、あの男は危険だ。

 ラファエルは急いで戦闘用の服に着替えに戻り、城を飛び出した。
 リトは必死に止めたが、ラファエルの意志は固い。ラファエルが自分の言葉を聞かないと分かった彼は説得を止めて、自分も同行する準備をした。

 ラファエルは必ずシュリを助けると近い、夜空へ飛び出した。