「それともう一つ。 学校では偽名を使うこと。」 …確かに、こんな仕事をしているのだから自身の情報は出来る限り隠しておいた方がいい。 そこはすぐに受け入れられた。 「色々と急な話だったけど、大丈夫かな。 あとはこの資料をみてね。」 本当に、急な話。 それに結論を出した途端に、トントン拍子で事が進んで…でも── 「大丈夫です。矢白高校のこと、承知致しました。」 私の気持ちは珍しくも未来を向いていた。 ───……今思えば。私が自ら選択した時点で、もう未来は決まっていたのかもしれない…