「でもさ。本気で 沙耶香と付き合いたいって 思ったのは お正月に再会した時だよ。」


「へぇ… 久しぶりに 私に会って 幻滅しなかった?」


「まさか。沙耶香 すごく綺麗になってるし。」

「えーっ!」

「話し方は 俺の好きなままで。気軽に 話し掛けてくれたじゃない?」

「私も 頼太が 懐かしかったし。大人になっていて 驚いたよ。」


「あれから ずっと沙耶香のこと 考えていたけど。中々 連絡できなくて。色々 考えちゃってさ。」

「色々…?」


「うん。俺が 連絡して 変に思うだろうとか。……恋人いるだろうなとか。」

「そうだったの…? 私のことなんか 忘れていると思ってたの。」


「まさかー。ずーっと 悩んでたの!」


頼太は 真っ直ぐに 気持ちを伝えてくれる。

だから 私も 正直になれる。


「あれから 私と会うようになって 気持ち 変わらなかった?」

「変わんないよ。むしろ どんどん好きになって… 困ったけどね。」


気になっていたことを 問いかける私に

頼太は 想像以上の答えを 返してくれて。


私を 喜ばせてくれる。


「もう 頼太。照れるから。」

「うん。俺も。照れるなぁ。」


2人で 頬を染めて 見つめ合うと

驚くほど 幸せな気持ちに 包まれて。


私 正しい道を 歩き始めたよね。