ぼぉっとする意識の中で、階段を下りるリズムを感じる。
誰かの背中で運ばれてる気がするけど、薄れる意識の中じゃこの状況をうまく把握することもできない。
だけど……
この体勢、通りすがりの人にパンツ見えてるんじゃないかなぁって。
それだけは、ぼぉっとする意識の中でも薄っすら思う。
でもなんか、腰から下が暖かいのは……なんだろう。
「……」
誰かの背中に体重を預けたまま視線を下げて、少しだけ目を開けて見る。
見えたのは、私の腰から下に巻かれている見覚えのあるグレーのカーディガン。
これ、誰のだっけ……
パンツ見えないように、巻いてくれたのかな……
誰の、だっけ……


