「手、すげぇ熱い」
「、」
持っていた青いホッチキスは、先輩の手に奪われて……
それはそのまま、机の上にコトって置かれた。
「強制終了。」
え、やだ。
私、全然大丈夫なのに……
「1人で帰れる?」
「………ハイ」
結局今日もまた……
───“なぁ七瀬、一生懸命だから助けたいって思うんだよ”
私、全然ダメだ。
全然、一生懸命が出来てない……
全然……
「七瀬?」
立ち上がり、カバンを持ってドアに向かうその途中。
熱を持つ体に眩暈が襲って、フラフラと床にしゃがみ込んだ。
「ちょ、大丈夫?」
「…、揺れる…」
「おま、どんだけ熱あんだよっ」
「立て、ない…」
隣にしゃがむ瞬先輩の声までも、揺れて聞こえる。
なにこれ、世界が揺れてる。
私、このまま揺れながら死ぬのかもしれない……


