ウィーーーン……ウィーーーン……
職員室の中にあるコピー室で、印刷される様子をじっと眺めていた。
「……頑張ろう」
討論会、嫌だけど。
でも『生徒会頑張ろう』って、決めたから。
とりあえず、頑張ってみよう。
やれるところまで、踏ん張ってみよう。
「七瀬ー」
「、……」
気合を入れながら、ひたすら印刷の様子を眺めていたとき。
私の後ろに立ったのは、瞬先輩。
「え、あれ……洋平先輩が来るのかと」
通信は書記の仕事だから、遅れて洋平先輩が来るかもって思ってたのに。
なのに、来てくれたのは……瞬先輩。
「いや、洋平も来ようとしてたんだけど、代わってもらった」
「どうして……」
「俺、洋平より暇なの」
ウィーーーン……って音が、響き続ける。
全校生徒分、印刷はどんどん進んでいく。
「……」
瞬先輩が、洋平先輩よりも暇。
そんなこと、有り得るのかな。


