「んで、日程がプリントに書いてる通り11月の9日と10日なんだけど。9日、七瀬の誕生日なんだって」
「へー、まじか!」
「誕生日に討論会なんて、かなり最悪だね」
真面目なごっつ先輩が、笑って毒を吐く。
でもほんと最悪すぎるよ、こんな誕生日……
「つーわけでとりあえず、討論会のことは頭に置いといてね」
「はーい」
「んで、それまでは生徒会として主な活動はないから」
「じゃあ今日はもう帰って──」
「今日は生徒会通信を印刷して、ホッチキスで留めちゃおーぜ!」
「えぇぇ!?ホッチキス!?」
「初版は1枚じゃ足りないから2枚にしようって言ったの書記の2人でしょ」
「つーか相当な枚数だよな、全校生徒分って」
「まぁ、頑張ろう」
「んじゃあまず書記の2人が印刷して、……って、七瀬、聞いてる?」
「……聞いてません」
「え」
だって……生徒会通信どころじゃないよ。
討論会、嫌すぎる……。
どうしよう、本当にいやだ。
「七瀬、印刷」
「あ、印刷……行ってきます……サヨウナラ……」
「……。」
瞬先輩の前に置かれた通信をぺラリと手に取り、意気消沈でフラフラと生徒会室を出た。
あぁ、討論会、憂鬱……
「討論会と誕生日被ったこと、そんなにショックだったのかな?」
「誕生日に予定あったんじゃない?デートとか」
「えー、デートと被ったんなら、美香かわいそう……」
「………」


