「なんの話してたの?」
「え?」
「大事な話って言ってたじゃん。“章くん”」
「あ……ただ、来月誕生日だねって、大したことない話ですけど」
「誕生日?誰の?」
「私です」
「ふーん、いつ、」
言いかけた先輩の口角が、生徒会通信を見て急に上がった。
「ほんとだ、誕生日もうすぐじゃん」
「え、なんで」
「書いてる」
あ……生徒会通信に、新しい生徒会メンバーのプロフィールと挨拶文を載せてるから。
瞬先輩、それを見た?
「七瀬ー」
「はい」
「“章くん”に言っといてよ。残念ながら七瀬の誕生日、一緒に過ごすのは俺みたい。って」
「え?」
悪知恵のついた子供みたいに笑った先輩は、通信の変わりに1枚のプリントを差し出してきた。
さっき、イズミンのところから戻ってきたときに、持ち帰ってきたプリント。
それを受け取り、読んでみる。
「A地区高等学校生徒会・交流討論会?」
なにこれ……漢字ばっかりですごく嫌な名前。
しかもなんか、響きからして緊張する感じ。


